2021/11/25にフジテレビがリストラを発表したので、昔はTVっ子だったアイエルの思い出話です。
マスコミもリストラをする時代
アイエルが社会に出たときは既に就職氷河期(涙)でしたが、世の中の価値観はまだまだバブルの考え方でした。大企業に入ることができたら勝ち組、公務員も「でもしか公務員」から急に価値が見直されていた時代です。
ちなみにバブル崩壊の個人的な印象では
- 兵庫銀行の経営破綻(1995年、戦後初めての経営破綻):銀行って無くなるんや!(関西在住もあってびっくりした)
- 山一証券の廃業(1997年):株成金ってめっちゃおったやん!(バブルと言えば「土地」と「株」のイメージ)
- 北海道拓殖銀行の破綻(1997年):都市銀行がつぶれるって・・・(兵庫銀行がつぶれたのは、地方銀行だったからと勝手に思っていて大きいところは大丈夫と思っていた)
です。いずれもつぶれないと思っていた会社で、この後は更に有名どころが次々と消えて行くことになります。(それはまた別の機会で話したいと思います。)
バブル崩壊後も高級取りの業界
現在でも高給取りのサラリーマンと言えば「証券会社」、「銀行」、「商社」ですが、これとは違う形での高級取りが「広告」、「出版」、「新聞・TV」のマスコミ系でした。
新聞等に出てくる職業別の平均年収の欄には右下には「広告、出版等を除く」と記載されており、社会人になってから彼らの年収が記載されていないのと高給取りなのを知ったとき・・・
ずるいやん!!(自分たちの平均年収を記載してないやん!)
と思ったものです。
ちなみに、この頃の脱税御三家は開業医、不動産屋、パチンコ屋でした・・・
そんな時代背景込みで機会があれば見てほしい映画
当時はインターネットや携帯電話も普及しておらず、今の時代以上にどの会社に入社できたかで人生が大枠で決まってしまった(転職が今ほど多くなくネガティブなイメージになっていた)あの時代・・・その映画の名は
「就職戦線異状なし」(1991年公開)
です。
主演は織田裕二で他には坂上忍、的場浩司も参加しています。音楽も槇原敬之の「どんなときも」なので曲は知っている人も多いと思います。(モノマネでウッチャンの「ドンナトキモ槇原」を知っている人はアイエルと同じ世代ですねぇ)
この映画についてですが・・・
個人的には、感動の超大作とかでは無く「トレンディードラマ」の映画版と思ってください。
個人的なポイントは以下の通りです。
- 主人公は難関大学の就活生
- 難関大学でもマスコミ業界に就職するのは困難(つまり普通の大学生では歯牙にもかけてもらえない)
- しかし、他の業種は超売り手市場だったため内定者には(働いてもいないのに)豪華な接待があった
映画を製作するのに1年とした場合、1989~1990年の就活生(難関大学限定)を描いた作品となるのでバブル期でも最強だった時だと思います。ちなみに日経の最高値が1989年12月でした(約3.9万円)。
高スペックの人が難関の業界に恋愛をしながら正社員採用されるためのスタイリッシュなストーリー。映画自体の面白いかどうかではなくて、バブル期の時代を
アイエルは昔にTVでこの映画を見たのですが、今でも思い出すと「イラッ」とします・・・
バブル期の話を人生の先輩から聞くと何処か違う国の話のように聞こえます。
仮に現在で考えた場合
浪人留年しない大学生が1989年で就活したと仮定した場合、1990年で22才で入社し2021年で53~54才あたりになります。バブル期のターゲット層としては今回のリストラターゲットに入っています。
氷河期以降の新卒の初任給はバブル期からどんどん下がっています。更に終身雇用制の会社ではベースアップ等で上がって行くので初任給が高いと生涯年収でも差がでます。
初任給で3万の差があった場合35年働くとその差分だけで単純に1260万円もの差がでます。
当時はインターネットが常時接続でないことや携帯電話が普及していなかったこともあり、TVや本は大きな存在でした。楽天もアマゾンもYuotubeも無かった時代やしねぇ・・・
改めて見ると氷河期以降は本当に割を食っているなと・・・
最後に・・・
個人的な感想になりますが、アイエルは就職前にバブル景気が終わってしまいました。思春期のころがバブルでしたが社会人では無かったのでその頃の話はTVや雑誌等を見て知っていました。
TVと双璧だった出版も2000年手前あたりから倒産が目立ち始め、アイエルは2002年の「勁文社」の倒産に驚きました。「スーパーロボット大戦」の攻略本や子供の頃の分冊百科でお世話になっていました。
今年に入っても「東京スポーツ」や「朝日新聞」もリストラのニュースが出ました。もちろん残る人もいますので、全員逃げ切ることができなくなったと言うのが正しいかもしれません。
アイエルは「ざまぁ!」とは思いません。当時の基準で難関大学出身で勝ち組企業に入れる人は、(妬みもありますが)ヒーローだったと思います(第一希望の会社に入れた人はプライドも高い人も多くいましたが・・・)。
当時のあこがれだった企業が没落すると「その時あこがれていた自分」も一緒にネガティブな感情になってしまいます(好きなヒーローが雑魚敵にも勝てなくなるイメージ)。そして同時に今後の「今より便利で楽しむことがができる自分」にもワクワクします。